アフリカの世界遺産 | 太古の表現

芸術家でなくても、あるいは芸術を職業としている人でなくても、多くの人は普段から芸術に多かれ少なかれ触れていると思います。音楽も芸術ですし、絵画、彫刻、建築、小説、映画、全て芸術です。

そうした芸術表現に感動する気持ちを持っている人、あるいは表現したいという気持ちを持っている人は、1度アフリカに行ってくると良いと思います。人類の祖先が、どうして表現をしようと思ったのか、答えが出ないまでも、深く考えるきっかけになるからです。

■ アフリカには、芸術表現に関する世界遺産がたくさんある

多くの人がご存知の通り、人間の祖先はアフリカで誕生しました。そのアフリカで誕生した人間は、次第に発達した脳みそを持つようになり、色々な発明を行なってきました。その発明の1つが、芸術です。美という感覚を形にする技術が芸術ですが、アフリカの世界遺産は芸術に関連した世界遺産が多いです。つまり、古くからその土地に暮らすアフリカの人達が、石や洞窟に自分たちの美的感覚を残しました。現代では作品とも言える数々の痕跡が、世界遺産として残っているのです。

さあ、アフリカへ行きましょう。世界遺産として残る、古いアフリカ人の表現を現地でじっと眺めて下さい。なぜ人は表現するのだろうかと、太古の人々はどうして岩にこの絵を描こうと思ったのだろうと、考えるきっかけになります。

■ アフリカの南西部、ナミビアにある世界遺産

アフリカの南西部には、ナミビアがあります。国土の西側が海岸線で、南部にはアフリカの最南端に位置する、南アフリカ共和国があります。そのナミビアには、岩石に描かれた2,000点以上の線画が、現在も世界遺産として残されています。

岩石の絵をじっと眺めて下さい。表現形式としてはかなり熟達しており、キリン、ライオンなどの身近な動物が、独特の形にデフォルメされています。つまり、単に写実で終わっているのではなく、独自の解釈が表現されているのです。中には、ライオンマンという架空の対象まで描かれています。考古学的な価値と共に、芸術的な価値で世界遺産に登録されています。

■ アフリカ南部中央、ボツワナにある世界遺産

同じくアフリカの南部中央、ナミビアの東隣にある国、ボツワナにも壁画群が残されており、その全てが世界遺産に登録されています。この世界遺産は、現存する人類の中で最も古い系譜に属するサン人が描いた芸術作品群で、紀元前4000年前に描かれた壁画だといわれています。

表現スタイルそのものは写実的で、独自の芸術的解釈は感じられませんが、わざわざ壁面に4,500もの絵画を残した人類のエネルギーに、素直に胸を打たれます。砂漠のルーブルと呼ばれるその芸術作品群は、まるごと世界遺産に登録されています。

■ その他にも、見どころ満載のアフリカ世界遺産

もちろん、芸術的な価値を持つ世界遺産だけではありません。ザンビア・ジンバブエにある世界三大瀑布、世界遺産にも認定されているヴィクトリアの滝などは、その水量とスケールが純粋に見る者を圧倒しますし、ナイジェリアの広大な原生林がまるごと信仰の対象として大切にされている、稀有な世界遺産もあります。ジンバブエのグレート・ジンバブエ遺跡、カミ遺跡群のような、文化的な世界遺産もありますし、ナイジェリアにもスクルという製鉄で栄えた、文化的な世界遺産の町もあります。

以上のような色々な魅力を持つ世界遺産がアフリカには点在するので、芸術的な側面から世界遺産をめぐると同時に、色々な顔のアフリカも楽しんで下さい。

ヨーロッパ、欧米、アジアなど、日本人が訪れる国はだいたい決まっていますが、実は人類の生誕地アフリカこそ、日本人が最初に訪れるべき場所なのかもしれません。特に芸術表現に興味のある表現者、研究者、ファンは、アフリカの世界遺産を目指しましょう。